カブ隊 すすんでよいことをします!(2025/3/16)

「私はただ『いる』だけの人間になってしまう」。やがて眼が見えなくなることを医師から告げられた時、このように思われたそうです。でも、お腹は空くし、トイレだって、歯磨きだってしなければならない。やらなければいけないことがたくさんある!

今回の活動では、病で徐々に眼が見えなくなり、現在は全盲で日々過ごされている方にお越し頂き、罹患されてから今に至るまでの心境の変化、普段の生活のご様子など、スカウトたちにお話し下さる貴重な機会を頂きました。

洋服の前後を区別する方法、紙パックの飲み物を区別する方法など、普段の生活での工夫についてお聞かせいただきました。また、困りごととして、名前を言われないと自分に声が掛けられているか分からないこと、「ここ」「あそこ」の指示語が多いことがあげられました。お話はどれも身近なことで、大変なことであるにも関わらず、明るい様子で話され、何より分かりやすかったため、スカウト達も時間を忘れて真剣に聞き入っていました。

お話の後には、組に分かれて、実際に白杖を用いて、案内をする側とされる側の双方の体験をしました。

また、車椅子についても学び、実際に乗って体験しました。実は隊長自身がカブスカウトであった時代に怪我で長らく車椅子で過ごした経験があり、スカウトに乗り方を教えて下さいました。

それぞれの体験の後には、予め出されていた課題への回答や、実際に感じたことなどをまとめ、各組で発表しました。

野外活動ばかりがボーイスカウトではありません。色々な立場や境遇の方と接して、体験して、本物の経験値としていく。今回はまさにそのような活動でした。

「みんなはボーイスカウトだから、助けてくれるんだよね!」。お話の最後に頂いたこの言葉は、これからの社会を背負っていくスカウトたちの心に響いたことでしょう。スカウトの皆さん、すすんでよいことをしましょう!