カブ隊 心に冒険を!JAXA見学(2025/2/9)

JAXA 宇宙航空研究開発機構の相模原研究所にお邪魔しました。
そう、言わずもがな、JAXAは、ロケット開発、有人宇宙、地球観測などの研究開発を行っている国の機関です。浦安第2団のローバースカウトがJAXAで研究している縁で研究やJAXAの事を解説してもらいながら、研究所を訪問しました。

市役所前に集合し、仲良しの輪、儀礼を行い、バスに乗り込んで相模原に移動しました。

■JAXAの紹介
バスの中で、東京大学大学院に在籍し、JAXAで研究している浦安第2団のローバー隊スカウトからJAXAで行っている研究内容の説明を受けました。ハレー彗星のような短期周期彗星に対して、200年以上での周期で地球に到達する長周期彗星を探索するための探査機を作るプロジェクトで目に相当する部分の部品の開発を行っているそうです。一般的にすばる望遠鏡のような大型観測所での測定は、遠い宇宙を観察し、近い惑星などは衛星を利用して、観察するそうです。とは言っても、惑星、彗星とも速度が速いため、観測するための課題を解決するために、探査方法を弛まなく考えているそうです。彗星の写真を撮るためには、宇宙の中から長周期彗星を選択し、彗星の位置を特定する必要があるそう。「いわゆる、フライバイ探査」と言われても。。彗星が尾が伸びる特性を生かして、太陽を基準とした彗星と探査機の位置関係から探査機で撮影した彗星の尾の方向を計算し、探査する彗星とそれ以外の星を判別するそうです。数式は初めて見る記号で、なんと呼んでいいのか分からない、チャットGPTでも解析が難儀しそうな式でした。

この後、質問タイム。スカウトからは次のような質問がありました。仕込みは一切ありません。

〇JAXAではどのような仕事がありますか?
宇宙飛行士は10人以下しかしないが、支える仕事に携わる人が多数います。例えば、多忙を極める宇宙飛行士のために、タスク、スケジュールを考え、指示を出す人など多数の人が携わってます。

〇JAXAでは他にどのようなプロジェクトがありますか?
銃弾するよりも早いスピードで動いている宇宙ゴミを掴まえて、地球に安全に落とすための技術を研究や火星探索のための研究など多岐にわたる研究を8個以上のキャンパスや宇宙場で行っています。。JAXA相模原では、宇宙の成り立ちなど宇宙科学に関する調査、実験用ロケットの製作を行っています。

〇地球以外の星は見つかっていいますか?
光速で、4年かかる先に地球と同じような星があることは分かっているが、生物がいるかは不明。光に含まれている電波、波長の混ざり具合を分析することで、地球の光り方と酷似していることで判別しました。

〇彗星研究することでどのようなことがわかりますか。
長周期彗星を研究することにより、彗星の本来の形を特定することができ、彗星の水から水の起源が分かり、水の起源が分かると生物の根源が分かる。

■相模原市立博物館
相模原市立博物館に到着して、スカウト達は、プラネタリウムを楽しみました。
相模原の歴史や自然を扱うコーナーと探査機「はやぶさ」のカプセルなど多岐にわたる展示で見ごたえがありました。「人と自然のかかわり」のコーナーは、相模原台地と原生林を再現し、断片を切り出して展示しており、一見の価値がありました。博物館の館員の方、数々のご配慮ありがとうございました。

■JAXA
いよいよ、JAXAに入館です。市立博物からJAXAに向かう途中の壁に、過去の探査機、宇宙開発、工学の実例が掲載されており、否が応でも期待が高まっていきました。入って、すぐに、2基の原型代のロケットが展示されておりました。歓声が上がります。
2基のロケットの内、1基はレプリカで、もう1基は本物だそうです。なぜ本物のロケットが展示されているか、それは相模原の展示室で確認ください。

探査棟
探査棟は、月面での道具をテストするために作られた施設で、主に四輪、ベルトの探査車の性能をテストしているそうです。1階入り口に2対のベルト型のローバー車が展示されておりました。2対は1つのクレーンのようなもので接続されており、1つのローバー車が転倒したり、仰向けになった場合に、もう一対がクレーンのようなものを使って起き上がらせる仕様になっている。その名前は「健気2」。個人的には、「夫婦(めおと)」の方があっていると思いましたが、けなげもいいセンスです。2階に上がると曇りガラスに閉ざされており探査棟の全貌が見えません。しかし、説明される方が話始めると、瞬間調光ガラスが透明になり、中の状態を確認することができました。砂だらけ。月の砂は、惑星との衝突により高温にさらされた瓦礫が溶けて、細粒子の砂になるそうです。その小ささは花粉症を引き起こす杉花粉と同じく、30ミクロンだそうです。月面の砂のことを「レゴリス」と呼ぶそうです。ただ、実験棟の砂は、30ミクロンではなく0.5mmです。30ミクロンの砂を再現すると、実験者の肺に砂が入り込んでしまい、肺気腫になる可能性があるため、0.5㎜の粒子の砂を再現しているそうです。

交流棟
次は交流棟に移動して、日本の宇宙開発の歴史を学ぶとともに、はやぶさ2が持ち帰った粒子を見学しました。
ローバースカウトからカブスカウト達に歴史を説明してもらいました。日本の宇宙開発は、戦後、東京大学の糸川博士のペンシルロケットから始まりました。ペンシルロケットは上に打ち上げると、速度や軌道を測定できないため、横向きに発射して、測定を行い改善を行ったいたそうです。そのような涙ぐましい努力から、宇宙研究は始まり、1970年にラムダロケットにて世界で4番目に人工衛星を打ち上げるまでに発展した。特に小型の人工衛星の製造技術は世界トップクラスであることを知ると、静かに「わぉー」ということがあがりました。はさぶさ2が小惑星りゅうぐうからサンプルを取得するために、1年かけてりゅうぐうへの着地点を見つけるたことや取得したサンプル粒子の中から、20数種類のアミノ酸が発見されたことを聞き、神妙な顔つきをするスカウト達。

■帰りのバスの中
帰りのバスの中は、すっかり打ち解けたカブスカウト達からローバースカウトが質問攻めにあいました。今、自分が行ってるJAXAでの研究は、カブやボーイスカウトで経験した、仲間とともに何かを作っていくことが基礎になっている、という言葉がぐっと胸に刺さりました。言葉を受けて、あたらめて、体験を通して、責任感や達成感を仲間たちと学びながら得られることは非常に貴重な機会がスカウト活動だと実感しました。
そんな、かっこいい質問ばかりでなく、子どものころ夢中になったことや、宇宙に興味を持ったきっかけなど、相模原から浦安までの帰宅の間中、ずっと質問が続きました。

本日のJAXAの訪問で、宇宙開発という特殊な職業の具体的な仕事内容や役割を学び、夢をもって働くというこがどういったことか、実感できたことだと思います。数年後に第2の宇宙開発者が出てくることを期待します!

最後に、相模原市立博物館で、宇宙食を購入しました。
宇宙食というから流動食だと思っていたのですが、たこ焼きの宇宙食って、なかなか通。味の濃い、まるい煎餅のようでした。